テンカラの鬼 榊原正巳 テンカラの世界

鬼ブログ

南仏から来たテンカラ師

Posted on | 5月 10, 2017

鬼塾開催予定(2017/5/9現在)
 
  4月に、個人ガイドを頼まれた。
6日間を通して、鬼テンカラを学びたい、という依頼内容だった。
頼んでくれたのは、フランスに住むテンカラ師。
子供のころから釣りが大好きで、西洋のフライフィッシングをやっていたが、
あれやこれやの道具たてのない、シンプルなテンカラに興味を持ち、
ここ数年は、テンカラにはまり、ガイドもやっているそうだ。
 
  オーレリエン・ぺレス君、38歳。
30歳の奥様と2歳半のエリスちゃんというお嬢さんがいる。
パリ生まれパリ育ちの彼だが、自然があふれる場所で暮らしたくなり、
フランスの南、モンペリエという都市の近くのセヴェンヌ国立公園の麓にある
キュルチュールという村に移動。
モンペリエはマルセイユに近い。
彼は、レストランを営みながら、釣りのガイドをやり生計を立てている。
 
  長い名前なので、オーレ君と短縮させてもらう、キーボードが打てない。
オーレ君は、若い頃、西洋のフライフィッシングのガイドをする会社に就職。
長い間、パナマでカヤックに乗りながらフライをするガイドをやっていた。
話を聞くと、バリ島やパタゴニアなど、各国を転々と担当させられたらしい。
だから、釣りがうまい。
魚がくわえるポイントもよくわかっている。
 
  こんなに教えていて面白い子は、久しぶりだった。
いや、どう表現したらいいのだろう。
鬼塾に参加してくださる皆さん、誰もが個性的で、みな面白いよ、教えていて。
けれどもこのオーレ君は、姿勢が違った。学ぶ、姿勢。眼が、真剣そのもの。
こちらに迫ってくるものがあった。短い時間、遠い異国。いま、学ばなければ。
 
  こちらも、懸命になる。そう、話しだけで説明しているわけではない、
俺は英語が話せんし、いつも鬼嫁がいるわけではない。
ゼスチャーとか、水面下の絵を描いたり、あらゆる方法で伝えようとする。
と、砂に水をかけたように、さらりと深く理解してくれるのだ。
それだけ、釣りを極めているし、釣りのセンスもいいのだろう。
夜には、今日の悪かった点を言い、明日やるべきことを聞く。
 
  今回、宿は、自炊ができる1棟貸しの場所を押さえた。
1泊2500円と格安。とにかく、オーレ君は、わざわざ飛行機代を使って、俺のテンカラを学びに来たのだから、あとは格安で済ませてあげたかった。
おみやげだって、うんと買える。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  たいていは、日中は釣り。朝からイヴニングまで。
お昼は、その時々の場所で、店へ行ったり、お弁当を食べたり。
鬼嫁が、一人で全部、サポートしてくれる。
  イブニングまで釣って、帰ると夕飯の支度。
シェフであり、日本食が大好きなオーレ君の前で、鬼嫁がスタンダードな日本の家庭料理を作る。
筍の酢味噌とか、豆腐の味噌汁。大根の炊いたん。
お好み焼きの時は、オーレ君は興奮した。
ひっくり返す技が凄いと。”誰でもできるよ、主婦だったら”、と、鬼嫁。
 
  そして、食後は、毛鉤巻や、日本の釣りのビデオやテレビ番組を見て、説明。
映像を止めて、ポイントや流れの説明をする。
  一棟貸しだったから、彼の部屋も作れたし、お風呂に入ると、自分の部屋に行き、自分の時間も持てた。
 
  最初は、我らがホームを案内したが、4月の17日からだったから季節の変わり目で
天候もあまりよくない。
寒かったし。魚も底に沈んでいる。先行者が必ずいる。
 
  でも彼は、日本の毛鉤を使いたい、それを使う技を学びに来たという。
ビーズヘッドも錘も目印も、何もついていない日本の伝統的な毛鉤で釣る。
 
  流れを利用して、毛鉤を深く潜らすテクニック、
食べる気になっていない魚を、食べる気にさせ、飛び出させてかけるテクニックなどもお見せできた。
「こういうテンカラを見に来たし、私は、本国でこれを伝えたい」
オーレ君は、頬を染めて、こう言った。
 
  滞在の半ばぐらいからは移動した。
松本から奥飛騨に抜け、中央アルプスから北アルプスまで見てもらい、足湯に浸かったりしながら、友人Gさんの好意でひるがのの個人別荘をお借りできた。
 
 
  その前に、高原川へ行き、オーレ君が極めた、LOZERE(地方名)のニンフィングを見せてもらった。
緊張していたが、それは繊細な技術で、大雑把なタイプの人間では、できない釣り。
どこに流すか、どこの層の魚を狙っているのか、よくわかる。
毛鉤は二つ付いていて、ひとつを目立たせたり、錘にしたり使い分ける。
どちらにかかるかわからないが、両方にかかることもある。
なぜか、彼らの地域にはブラウントラウトが多い。
俺の短い経験だが、ブラウンは上をあまり向かない。習性だろう。
目の前にきた疑似餌には反応する。だから、ビーズヘッドや針自体重いものを使うわけだ。
 
  オーレ君が、私だったら、そういう魚を相手にどうする? と、聞いてきた。
『上を向かせるように頑張る。向いたら、かける。実際、アメリカやイタリアでそうやってかけてきた』
「向かなかったら、どうする?」と、オーレ君。
『だったら、俺はもう釣らない。錘をつけたりしてまで釣りたかない、面白くないもん、そんな釣り』。
  そう答えると、ニヤリと笑った。
「私も、同じ考えです。テンカラをやるならば」
オーレ君が言った。
  彼は、鬼テンカラの奥の深さも理解し、私の考え方も、分かったようだ。
 
  その後は、石徹白、もうひとつ長良川の支流を案内し、俺たちのテンカラの旅が終わった。
寒かろうが、川の状況が悪かろうが、オーレ君は、必ずかけた。
そして、最後は、イブニングまでに連続ヒット! まっちゃんさんのサポートのおかげです、ありがとう!
 
  面白かったのは、俺たちがテンカラの話をしている、夜。鬼嫁が言葉でも、サポートしてくれていた。でも、鬼嫁もくたくただ。
 
  オーレ君は、ビールが好きで、クイクイ飲む。
オーレ君も話につかれると、鬼嫁をかまう。もうこの二人の会話(半分わからんが)が、面白かった。
 
(続きは写真の後です)グビグビ編 ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
鬼嫁 「オーレ君は、ビールよく飲むね。ビールはオーレ君の毛鉤だね」
オーレ 「そう、鬼の毛鉤は、凄くおいしそうな動きをするよ~」
 
鬼嫁  「昼間のあの質問は、・・・こういう意味です」
几帳面に、答えられなかった意味の言葉を調べ、夜にこたえる鬼嫁
オーレ 「ありがとう。でも、ココは、英語が話せるんだから、フランス語を覚えればいい」
 
鬼嫁 「えっ! (そんなのは無理と思っている)」
オーレ 「だって、ユーロ圏の言語は、元はラテン語。それが少し変化しただけだから、フランス語をマスターすれば、みなしゃべれる」
 
ここでオーレ君が、日仏辞書を取り出し、鬼嫁に説明する。
 
オーレ  「この発音記号は、あまり意味がない。前後の動詞に・・・・」
 
疲れた夜です。ビールもまわったころ。鬼嫁、目がテン。
聞くだけ聞いた後、オーレ君にこう言ったらしい。
 
鬼嫁 「無理無理無理無理 いっぱいいっぱいなんらよ、英語だけで。もう年だし、おばあちゃんだよ。棺桶が近い。イタリアでも話せるのは、これだけ。チャオ(挨拶)スィ(はい)ノ(いいえ)クワントコスタ(これいくら)ボーノ(うめぇ)。これでなんとかなるのが、イタリアなんらよ。無理無理無理無理 夢だね、フランス語なんて。オールボア(またね)ぐらいしか覚えられん」
 
オーレ 「話したじゃん、フランス語。いい発音だ、オールボア。で、次は、これを覚えよう・・・」
 
鬼嫁  「もう、寝ようよ、明日の釣りのために」
オーレ 「あと10分だけ教える、で、寝る」
 
  オーレ君は、俺たちをフランスに連れていきたくて仕方がなく、まずは言葉を教えようと思ったようだ。
こんなことばかり話しながら、本当に心から良い仲間になれたと感じる。
また、会おうね、オーレ君。
 

鬼塾スケジュール
 
  さて、今後の鬼塾予定です。
鬼塾に参加したい方は、少なくとも
3日前には、連絡がほしいです。メールください。
 
初心者でも参加OKです。竿も貸すこともできます。わからずに買うなら、
まずは貸竿で、やってみてください。ウェーダーも24㎝でよければ、
1つ貸せます。ラインやハリス、毛鉤の指導もできます。販売も可能。
川の見方を学んでもらう教室です。
 
教室代には初日の昼ごはんもついています。宿泊は、行く場所により
変わります。夕飯は皆で作ります。わいわいと楽しいです。
 
夕飯代は、皆で割ります。飲み物は自分でご用意を。
ぜひ、ご参加ください。 一人にはりつくべったり鬼塾は、いつもやっています。
メールか電話をください。場所など、話し合いましょう。
一人にはりつく「べったり鬼塾」は、グループの場合、割り引きます。
1人1日 15,000円(他に交通費、高速代、遊漁券)などが必要です。
グループで学ぶテンカラの鬼塾は以下です。
けれども、天候によっては前後することもあります。開催日近くに、
変更はお知らせすることになります。
参加希望者は、いまから予定を空けておいてください。
 
参加希望者は榊原事務局 090・2575・0903
もしくはメール 榊原事務局 onitenkara@gmail.com
まで、
お名前、
ご住所、
連絡先、
テンカラ歴
をご記入の上、お申し込みください。
迷っていらっしゃる方も、とりあえず電話ください。詳しく説明します。
 
2017年の鬼塾予定です
 
5月20日(土)21日(日) 岐阜 白川郷 2日間:10,000円 1日:6,500円
他に遊漁券代が必要です。
宿泊は白川郷の合掌造りの一棟をおさえました。
すごくいいです。
1泊5,000円ぐらい。
1日目のお弁当がつきます。
夕飯は、材料代を皆でワリカンです。朝食もです。
飲み物は、ご自分でご用意ください。
ビールとか、お酒とか。
 
6月3日(土)4日(日) 石徹白アウトドアフェス
今年は、「釣り」色が濃くなります。
石徹白鬼塾は、ほかの日にももっと増えます。
アウトドアフェスは、100年先を見据えた川のためのイベントです。
石徹白フィッシャーズホリデーの意志を受け継ぐ公認プログラムです。
ぜひ、ご参加を。家族皆で楽しめます。
村、漁協と一体となったイベントなので、この日はかなりの
民宿を用意してくれています。
参加希望者は、サイトよりお申し込みください。
この日のテンカラ教室も同じです。
字が見えづらく、PCが使えないようなら、こちらに連絡ください。
こちらで参加表明しておきます。
休みが取れるかわからない方は、とりあえず参加表明を。
キャンセル無料なので。宿泊もです。
私たちと同じ宿が良ければ、こちらで予約します。
連絡ください。
もちろん、キャンプもできます。 アウトドアフェスです
 
6月24日(土)25日(日) 山形 2日間:10,000円 1日:6,500円
他に遊漁券が必要です。
今年は、宿に宿泊にしようかな?
 
7月15日(土)16日(日) 岐阜・秋神川 2日間:10,000円 1日:6,500円
他に遊漁券が必要です。
コテージをおさえます。
でも、川の状況で場所が変わるかもしれません。
 
9月16日(土)17日(日) 岐阜 石徹白 2日間:10,000円 1日:6,500円
他に遊漁券が必要です。
宿泊は民宿です。
9月30日(土) 納竿会  遠山川

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